大学入学者選抜制度 先進的な取り組み事例

【写真】武蔵野大学

新学部開設と新しい入試方式の導入により、
大学全体のグローバル化を加速させる

武蔵野大学は2016年度入試より、GTEC CBTやTOEFL iBT®等の英語外部試験を活用した「グローバル方式」を全学部に導入しました。同大学は2016年4月に「グローバル学部」を開設し、新入試制度と合わせて、今後さらに大学のグローバル化を進めていく考えです。同大学がどのような意識を持って入試改革に取り組んでいるのか、入試センターにお話をうかがいました。

新方式導入は、高校生の英語コミュニケーション能力を入試段階で適切に評価するため。

グローバル方式(英語資格基準型)は、従来型の英語試験に代えて、英語の4技能(一部は2~3技能)を測る英語外部試験を活用する入試方式です。この方式では、英語資格検定試験結果が本学の指定する基準スコアを満たした場合、英語の得点はみなし得点(下記換算表参照)とします。Mスカラ入試、全学部統一入試、一般入試は英語の筆記試験が免除となります。またセンター利用入試はセンター試験の英語の得点に関わらず、換算後のみなし得点を利用して判定を行います。

(図表:一覧表)

対象入試 みなし得点 (*1)
Mスカラ
全学部統一
一般
100点 90点 80点
センター利用 満点
英検(実用英語技能検定) 2016年3月までの受験者 準1級以上 2級
2016年4月以降の受験者(CSE2.0) 2304点以上 2170点以上 1980点以上
GTEC CBT 1250点以上 1120点以上 1000点以上
GTEC for STUDENTS(Advanced) 810点 740点以上 675点以上
IELTS 5.5以上 5.0 4.0以上
TOEFL iBT® 71点以上 57点以上 42点以上
TOEFL Junior® Comprehensive 341点以上 330点以上 322点以上
Cambridge English FCE PET
TOEIC® および TOEIC® S&W 1095点以上 950点以上 790点以上
TOEIC® 785点以上 670点以上 550点以上
TEAP(RL) 150点以上 130点以上 110点以上
TEAP(RLWS) 334点以上 280点以上 226点以上
  • (*1) Mスカラ入試、全学部統一入試、一般入試は①~③のスコアを満たしていれば、英語検定試験結果に応じて、① 100点、② 90点、③ 80点いずれかのみなし得点に換算します。
    センター利用入試は①の基準スコアを満たした場合、グローバル方式が利用でき、英語のみなし得点は満点に換算します。
  • 配点については各入試ページ でご確認ください。
  • TOEFL ITP®、 TOEIC IP®、IELTS(General Training Module)は対象としません。
  • オフィシャルスコアに限ります。
  • スコアは、出願する入試の出願締切日から遡って2年以内に受験したものを有効とします。
    ただし、英検の場合は、出願する入試に関わらず2014年度第3回試験より有効とします。
    出願手続時には、英語資格検定試験の成績証明書などの提出が必要です。

本学がこの方式を実施する背景には、急速なグローバル化が進み、社会において英語力が重要視されるなか、入試段階で英語コミュニケーション能力を適切に評価したいと考えているためです。また、高校のカリキュラムが「聞く」「話す」「読む」「書く」という4技能に対応した学習内容にシフトする一方で、従来の一般入試方式ではそれらを十分に評価できないという課題もありました。しかし、実際に大学独自の試験問題で英語4技能を適切に測るためには、筆記試験に加えて面接を実施しなければなりませんし、そうなると合否判定まで長い期間を要してしまいます。少人数であれば可能ですが、多人数になるとなかなか難しいでしょう。それを解決する1つの方法として、GTEC CBTやTOEFL iBT®のような英語外部試験を活用するグローバル方式を導入したのです。

グローバル方式は特定の学部だけでなく、全学部で実施します。学生の英語力とグローバル化へ対応する意識を全学的に高めたいと考えているためです。本学は人文社会学系をはじめ、教育系、理工系、医療・福祉系など、9学部を擁する総合大学です。「医療・福祉系の学部では、入学の段階から英語の力を重視する必要があるのか」という見方もありますが、日本の人口減少が進めば、国内で働く外国人が増えるでしょうから、そのサポートにあたる医療・福祉系の人材にも英語力は欠かせなくなります。現時点からこうした人材の育成に取り組む必要があると捉えています。
また、本学は、以前からAO入試において、英語外部試験のスコアを活用していましたが、今回のグローバル方式のスタートに合わせて、受験生が利用できる英語外部試験の種類を増やし、学部・学科の特性に応じて基準点を高く設定しなおしました。これは、英語が本当に得意な高校生に入学してもらいたいという考えからです。

グローバル方式の受験者はCambridge English、英検、GTEC CBT、GTEC for STUDENTS、IELTS、TEAP(LR)、 TEAP(LRSW)、TOEFL iBT®、TOEFL Junior®Comprehensive、TOEIC®・TOEIC® S&W、といった11の英語外部試験のスコアを活用できます。試験が多岐に渡っているのは、「スタートの段階では、できるだけ間口を広げ、受験生の選択肢を多くしたい」と考えたためです。英語外部試験には、海外留学希望者の英語運用能力を測るのに適したもの、ビジネス英語によるコミュニケーション能力を測るもの、高校のカリキュラムに即した内容になっているものなど、それぞれ特長があります。将来的には本学がめざす教育に適している英語外部試験を見極め、調整することも考えています。そのためには、グローバル方式で入学した学生の入学後の成長を調査する必要もあると考えています。

海外体験することによって、知見を広げ、学びへの姿勢を深める。

本学は、2016年4月にグローバル学部を新設しました。グローバル学部は英語、中国語、日本語の3か国語を駆使し、国際的に活躍できる人材の養成をめざしています。3学科を持つ学部ですが、中でもグローバルビジネス学科は英語でビジネスを学び、オールイングリッシュで卒業できるという特徴を持っています。学部全体の約3割が海外からの留学生になります。日本人学生は、留学生とともに学ぶことで、国内にいながら異文化に触れる機会を持つことができるでしょう。

また、学生の海外留学と留学生の受け入れを促進するために、2015年度より段階的に4学期制(クオーター制)を導入しています。第2学期にあたる6~9月期に、必修科目をできるだけ配置しない形にして、短期留学しやすい環境を整えました。2020年頃までに、年間500人の学生を海外留学に送り出したいと考えていますし、将来的には学生全員が1、2年次に何らかの形で海外体験するというのが理想です。薬学部や看護学部のように実習が多い学部の場合、留学が難しい面もありますが、そうした学部においても、夏休みなどを利用して、海外の医療機関を訪問する教育プログラムを以前から実施しています。海外で知見を広げ、「日本には今、何が必要なのか」「海外の人と適切にコミュニケーションを取るにはどうすべきか」を考えることによって、帰国後の学習態度が積極的になるのではないかと期待しています。他学部に関しても、各学部の特性にあった海外研修プログラムを行なっています。

近年、大学生の「内向き志向」が指摘されていますが、本学では海外志向の学生が増えてきているように感じます。2015年度から推進している長期学外学修プログラムの海外フィールドワークにも多くの参加者が集まっています。

高校の段階から英語力に加えて、幅広い教養を身に付けてほしい

グローバル方式は、早い段階から英語学習に積極的に取り組む高校生にとって、大きなメリットがあるでしょう。従来の一般入試方式は一発勝負型ですが、英語外部試験の場合、複数回受験できます。勉強を積み重ねていけば、高校1、2年次の段階で一定のレベルに達することができるため、高校3年次には、英語以外の学習に時間を割くことが可能になるでしょう。

以前はアメリカや日本が、世界経済をリードしてきた時代がありました。2000年台以降は中国やインドなどのアジア圏の国がその牽引役を果たすようにシフトしてきており、将来的にはアフリカ諸国にも経済発展の舞台が広がるでしょう。これから社会に出る若者は、世界を相手にビジネスをしていかなければなりませんし、日本国内だけで完結する仕事は減っていきます。学生が希望する職業に就くためには、複数の言語を修得する必要が出てくるでしょうし、さらにそれらの言語を使って、適切にコミュニケーションを取る力も求められます。高校生の皆さんには英語力に加えて、高校段階から海外の社会制度や文化、宗教などについて、幅広い教養を身に付けてほしいと思います。

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