大学入学者選抜制度 先進的な取り組み事例

【写真】立教大学

「グローバル方式」入試をはじめとする
国際化戦略で、世界で際立つ大学へ。

立教大学では、2016年度からTEAP、IELTSなど4技能の英語資格・検定試験を活用した一般入試「グローバル方式」を導入します。その目的は、主に①立教大学における教育のグローバル化の推進、②4技能を総合的に育成している高校との接続強化、の二つです。

大学の国際化に向けて入試を改革、4技能の資格・検定試験を導入します。

立教大学の入試改革は、「Rikkyo Global 24」(以下、RG24)の一環として実行します。「RG24」とは、2024年の立教大学創立150周年に向けて推進する国際化戦略のことで24のプロジェクトを掲げています。「海外への学生派遣の拡大」、「外国人留学生の受入の拡大」、「教育・研究環境の整備」、「国際化推進ガバナンスの強化」の4本の柱で構成しています。

【写真】松本茂 教授 経営学部国際経営学科 グローバル教育センター長 撮影:藤田浩司

松本茂 教授

経営学部国際経営学科
グローバル教育センター長

入試改革は、「RG24」の中の「国際化推進ガバナンス強化」の施策として行われます。その目的の一つは「教育のグローバル化の推進」です。資格・検定試験を活用した「グローバル方式」の入試によって、カリキュラムと学習環境の国際化に対応できる英語4技能をバランス良く兼ね備えた学生に入学していただきたいと考えています。

「教育のグローバル化」には二つの側面があります。一つは世界の大学で学べ、卒業後も国際的に活躍できる適応力を持つ学生が立教大学において数多く育つこと。そのために英語力が必要なことは言うまでもありません。今日の世界では英語を第1言語として話す人の数よりも、第2言語として英語を使う人の数の方が圧倒的に多いことからもわかるように、英語は世界の共通語化しています。日本人学生も英語を使いこなす必要があります。

もう一つは、世界の大学から立教大学で学びたいという学生の数が増えることです。そのために立教大学は英語で学べる専門科目を増やし、日本人学生と英語で発表や議論ができる学習環境を整備しつつあります。

従来の入試制度では「読む」力が偏重され、とくに「話す」「書く」力を測定しなかったために、こうした授業において積極的に発言しようとする学生が少なかったのです。「グローバル方式」入試はこの課題の解決に役立つはずです。つまり「教育のグローバル化」をしようとするとき、専門知識を英語でインプットし、自分の疑問や考えを英語でアウトプットするための総合的な英語力を有する学生が必要です。そのために「グローバル方式」が必要になります。

立教大学では5年後に学生の50%、10年後に100%が海外を体験することを目標にしています。留学先の候補となる海外の協定大学は現在133校ですが、今後10年間で300校にまで増やす予定です。しかし協定大学であっても留学資格は厳しく判定されます。そのときに十分な英語力を備えているためにも入試改革は必要です。従来型の受験勉強をして大学に入り、その後4技能を伸ばそうというのでは留学には遅過ぎるからです。4技能を測定する資格・検定試験のための勉強は、入試がゴールではありません。その先の海外体験や留学、将来の選択につながる勉強になります。

さらに、海外で就業体験をする「海外インターンシップ」にも力を入れていますが、この場合も当然、4技能が問われますから資格・検定試験で英語力を測定することが役立ちます。留学生に対しては、卒業後に日本での就職を希望することも想定し、日本語教育の充実にも力を入れていきます。

より多く、より公平に受験機会があるように、入試には多くの英語資格・検定試験を採用します。

立教大学は、この入試改革が中学・高校の英語授業に良い影響を与え、4技能を総合的に育成する授業への改善に拍車がかかることも期待しています。つまり学習指導要領に記載されている通り、生徒主体の英語を使う授業をおこなっている先生たちを応援したいと考えています。

2016年度から実施する「グローバル方式」の入試では、英検、IELTS™、TEAP、TOEIC・TOEIC S&W、TOEFL iBT®、GTEC CBTを出願資格として活用します。このように多岐にわたる資格・検定試験を導入したのは、受験機会を増やし、受験生の居住地による不利をなくすことを考えた結果です。開催会場がまだ少ない試験もあるので、活用する資格・検定試験をなるべく多く採用することにしました。

受験生は、大学受験の出願時までの約2年の間にこれらの試験のどれかを受け、スコアがCEFRでB1以上であれば、立教大学の出願資格が得られます。後は、受験日に英語以外の2教科の試験を受ければ、合否が決まります。

資格・検定試験は、1年に何度か開催され、複数回、受けることができますから、従来の一回勝負の入試よりも、受験生の精神的な負担はずっと小さいと思います。また一回だけの入試では、英語力を正確に測ることは困難です。もちろん検定・資格試験は、4技能を測定できる良さもあります。

入試改革を第一歩に、大学の国際化へ向けて歩み続けます。

立教大学は10あるすべての学部の一般入試において、一斉に4技能の英語資格・検定試験を導入することを決めました。立教大学では入試改革だけでなく、国際化に向けてカリキュラムに関わる教育改革を今後、着実に進めていきます。

入試改革の原案作りには特別チームを編成して取り組みました。最もむずかしかったのは、一斉にすべての学部での導入を決めること。現在は英語をそれほど必要としない学部では、入試改革の必要をあまり感じなかったからです。しかし、学問としては英語とあまり関係のない学部であっても、卒業生のほとんどは企業に就職します。そして今日では、あらゆる企業が海外となんらかの関係を持ちながら事業を展開しています。ですから専攻分野の特性に関わらず、人材育成という面から英語による教育は必須という時代になっています。そうした現実を理解していただき、全学的に協力して改革することの必要性を理解してもらいました。

また、入学後、学生の英語を学ぶモチベーションを高めるには、全学共通の言語教育カリキュラムに加え、各学部内に英語で教える専門科目の授業が必要です。例えば、経営学部国際経営学科では、2年次の秋学期から英語で経営学を学ぶ授業が数多くあります。これによって学生は自主的に英語を学ぼうとするようになりますし、留学への意欲も高まります。

現在、大学院の経営学研究科国際経営学専攻(MIB)では、すべての科目を英語で開講しています。今後は全学的に英語で受講できる科目を増やし、学部レベルでも英語による学位授与コースを開設する予定です。入試改革に留まらず、こうした大学教育改革を着実に遂行することが、立教大学の国際化推進にとって欠かせないと考えています。

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