スーパーグローバル大学/ハイスクール導入事例

【写真】上智大学

世界から人が集まり、交流し、刺激しあう、
「多様性が交差する知的拠点」をめざします。

上智大学がグローバル化を進めるに当たって重視しているのは「コネクト・ハブ機能」です。
これは、世界中の人々が集まり、交流し、
新しい教育・研究の可能性を開くプラットフォームとしての大学を意味します。
そうした将来像を実現するための施策として入試改革は欠かせないものとなっています。

大学の長期計画に照らしつつ、
「上智大学らしいグローバル化とは何か」を模索しました。

上智大学におけるSGU(スーパーグローバル大学)構想は、10年以上前から始まった長期的な大学発展計画「グランド・レイアウト」と連携して具体化していきます。2013年に創立100周年を迎え、SGUに採択されたのを機に、上智大学らしいグローバル化とは何か、を考え、実現するための施策を、大学の総力をあげてあらためて見つめ直しています。

【写真】杉村美紀 副学長 学術交流担当

杉村美紀 副学長

学術交流担当

「グランド・レイアウト」は2001年に「世界に並び立つ大学」としての成長、成熟をめざして方向性を定めたものです。2014年からは次の10年を見すえ、「グランド・レイアウト2.0」に入りました。その考え方は、「他者のために、他者とともに」という大学のミッションを軸に、国際競争力の強化、国際通用性の向上をめざすSGU構想に反映されています。

柱となる考え方は三つあります。第一に「世界をつなぐ叡智の醸成」。

上智大学(Sophia University)の上智とは叡智の意。これまでに輩出した13万人のOB・OGやそして設立母体であるイエズス会のネットワークを活かした、知の交流の場でありたいと考えました。

第二に「グローバル・キャンパスの創成」。世界規模で学生、教職員の移動性(モビリティ)を高めていきます。具体的には海外への留学や派遣制度や国際交流の充実、学外機関との教育連携などがあります。入試制度もこの柱の中で、多様性を確保するものと位置付けられます。

第三は、これら二つを支える役割を果たす「ガバナンス改革」です。10年間のSGU構想、そしてさらにその先の大学のあり方を考え、100年の歴史と伝統を更に発展させることのできる体制を整えます。

このように三つの柱を軸としてグローバル化を進めますが、これは、人文・社会・自然科学にわたる「小さな総合大学」としての可能性を示す構想でもあります。SGUの一校として選ばれたこの機会に、国内外の大学と協力し、国際的な高等教育機関としての使命と役割を追求したいと考えています。

海外へ学生を送る。海外からの留学生を迎える。
両方を拡大し、大学のグローバル化を進めます。

SGU構想における教育目標として、グローバル化対応能力(Global Competency)を備えた人材の育成を掲げています。これは日本人学生に対してだけでなく、世界から当大学に留学してきた学生に対してもそうです。

国際化の具体的な数値目標の例を上げると、2023年度までに外国人留学生を2940人(2013年度/1358人)に、大学間協定に基づいた派遣学生数を1600人(同/519人)へと増やし、外国語による授業の割合を22.8%(同/13.6%)へと引き上げます。また外国籍教員、海外での教育研究歴や学位取得歴のある教員の比率を57%に引き上げます。

日本の大学が、留学生を増やし、グローバルな存在感を示すには、日本ならではの独自性、強みを持つ学問分野を打ち出すことも重要だと思います。例えば地球環境科学は日本が最先端を走る分野であり、当大学の学科も世界的に注目されています。

当大学は以前から英語で講義するコースとして国際教養学部、理工学部英語コース、大学院外国語学研究科英語教授法コースなどを用意してきましたが、新たに地球環境問題を解決するための学際的教育を実施するため、SEMEP(Sophia English Mediam Program)を設置しました。これは、経済学、社会学、教育学、理工学など、多様な学部学科の講義を英語で提供するものです。

「小さな総合大学」の強みを活かし、環境問題解決に向けて、基礎・理念から実践・応用まで、幅広くカバーします。また、全学共通科目を含めて英語科目を大幅に増やすとともに、外国人留学生を対象とした日本語教育も拡充します。

グローバル化の一環として、TEAP導入をはじめ、
入試改革を積極的に推進します。

長期的国際化計画およびSGUとしての施策を進めるためには、入口となる入試改革は極めて重要ですが、具体的な施策は日本の教育制度を修了した受験者と日本人を含む海外の教育制度を修了した受験者(主に留学生)とで異なります。

【写真】藤村正之 副学長 学務担当 総合人間科学部社会学科 教授

藤村正之 副学長

学務担当
総合人間科学部社会学科 教授

まず、日本の教育制度を修了した受験生に対する入試の改革の先駆けが外部試験であるTEAPの導入です。TEAPは当大学と英語検定協会が共同開発した4技能・資格検定型試験です。公開試験がスタート時に10数大学で始めたTEAP連絡協議会には、今では50大学以上が参加するまでになりました。TEAPは高等学校英語の学習指導要領に沿って着実に勉強すれば英語の4技能の実力を発揮できるよう作題されています。

だから基準点に達すればそれで英語は合格とし、受験当日は英語以外の2科目を受ける形になります。試験の得点結果によって4技能の中でなにが弱点なのかがはっきりわかるので、高校生は、それを考えて学ぶことができます。

また基準点をクリアした後は、もっと思考力を鍛える学習に時間を注ぐことができます。TEAPによって従来のような英語の受験勉強を不要にしたいし、高校の英語学習が変わることを期待しています。

また上智大学では、TEAPを入試だけでなく、大学入学後の英語力向上の指標に活用します。TEAPは現状では日本独自の資格・検定試験ですが、TOEFLなどとの連続性も意識しています。例えばTEAPのスコアを参考にしながら、TOEFLを受け、留学につなげるといった利用も想定しています。

さらに、ノン・ネイティブの学生に対し、「英語でいかに教えるか」が、ますます重要になっています。当大学では、近年注目されている新しい英語教授法CLIL(Content and Language Integrated Learning/内容言語統合型学習)の導入に力を入れています。これは言語学習と教科学習を統合した方法で、学習者の発信能力、思考力などを向上させる点で優れています。

一方、外国の高校生が上智大学を受験しやすくすることも必要です。当大学は既に国際バカロレアを一部の学科で導入してきましたが、今後、全学部に拡大します。また本学の海外オフィスの活用、カトリック系教育機関の国際ネットワークの利用(イエズス会系高校からの留学生受け入れ)なども実施し、世界各地の高校生に広報活動を行います。

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